国語現代文の読解力のつけ方 高校生 大学受験

お問い合わせはこちら

国語現代文の読解力のつけ方 高校生 大学受験

2020/03/09

国語現代文の読解力のつけ方 高校生 大学受験

堺市の塾トライプラス大野芝校は、小学生、中学生、高校生対象の堺市中区にある個別指導塾です。

国語の現代文は勉強してもなかなかできるようにならないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。中にはこれを理由に理系に進む高校生もいます。

ここでは、なぜ現代文ができないかという理由と現代文をできるようにする勉強方法を紹介させていただきます。

〈目次〉

1. なぜ現代文ができないのか

2. 現代文をできるようにするための勉強方法

(1)語彙力をつける (2)難しい文章に慣れる (3)本文を深く読めるようにする

3. 現代文をやる時の注意点

(1)現代文のどこが難しいのか (2)現代文の解き方

4. まとめ

〈本文〉

1. なぜ現代文ができないのか

現代文の問題が解けない理由は、本文がちゃんと読めていないからです。問題の解法テクニックというのもないわけではありませんが、現代文を解くうえで最も大切なのは本文の理解です。

それではなぜ本文が理解できないのかというと、難しい言葉が使われている、複雑な論理展開になっている、書かれている内容が難しいなどが原因です。中学生の途中まではそうでもなかったのに、その後だんだん現代文が苦手になってきたという方は特に、こういったことが原因で本文を理解できていないのだと思います。

「現代文、特に評論文は、本文で解くものであって、知識で解いてはいけない。」とよく言われますが、それはその通りです。例えば、本文に「猫は犬よりも優れている」と書いてあれば、どんなに犬のすごい能力を知っていても、またどんなに犬好きでも関係ありません。本文に書かれている通りに問題を解かなくてはいけません。

しかし、現代文に知識がいらないのかといえばそうではありません。本文を理解するために知識が必要なのです。まず、本文で使われている言葉や論理展開がわからなければ、筆者が何を書いているかわからないでしょう。そして、本文で書かれている話題について一度も聞いたことも考えたこともなければ、本文を深く理解することは難しいかもしれません。例えば、本文が教育論について書かれていたとすると、今まで教育論について書かれた文章を何度も読んだことのある人と一度も読んだことのない人とでは、理解のしやすさが変わるということです。

2. 現代文をできるようにするための勉強方法

(1)語彙力をつける

現代文では、日頃日常生活では使わないような言葉がよく出てきます。特に抽象的な名詞です。こういった難しい言葉や表現を身に付けるには、主に3つの方法があります。

1つ目は、漢字の学習です。漢字の学習の目的は、漢字問題を解けるようにするというだけでなく、語彙力をつけるということにあります。漢字のテキストは全ての言葉に意味が載っているものを選んでください。そして、漢字を覚える時は、言葉の意味と読みを中心に覚えましょう。いちいち書いて覚えるというより、読書のように何回も漢字のテキストを読んでいくようにして勉強するのがいいと思います。

2つ目は、語彙力をつけるためのテキストを読むことです。例えば、「ことばはちからダ!」や「現代文キーワード読解」などがあります。語彙力がつくだけでなく、いろんなテーマの考え方や知識を身に付けることもできるでしょう。

3つ目は、文章を通して身に付ける方法です。次の(2)で説明します。

(2)難しい文章に慣れる

高校生からの現代文では、あまり日常生活では目にしないような文章を扱います。そのため、そういった文章を意識的に読んで慣れておく必要があります。主な方法は2つあります。

1つ目は、読書です。読書をすることで、語彙力、読解力が付き、その本のテーマについての深い知識を得ることができるでしょう。志望校の入試で同じテーマの文章がよく出題されるという時は、そのテーマの本を読んでおくととてもいいです。小論文対策にもぴったりです。ただし、短所もあります。まず、入試に役立ちそうなレベルや内容の本を選ぶのが難しいです。また、読むのに時間がかかるので、いろんなテーマの知識をつけるのには向いていません。

2つ目は、受験用問題集や過去問の本文を読むという方法です。私はこちらの方法を多くの方にお勧めします。問題は解かなくていいので、ただ本文を読んでいきましょう。ここでは、あまり完璧を求めず、ある程度理解できたら良しとし、たくさんの文章を読むことが大切です。

(3)本文を深く読めるようにする

語彙力をつけ、難しい文章に慣れ、いろんなテーマの知識を得るためにはある程度以上の文章を読む必要があるのですが、それだけでは本当の読解力は付きません。本当の読解力を身に付けるには、文章を深く読む練習をしなければいけません。文章を深く読むということは、難しい文章を何が書かれていたか簡単な言葉でわかりやすく人に説明できるぐらいに読むということです。

勉強方法について説明します。教材は、受験用テキストか過去問を使ってください。まず、同じ文章(本文)を何回も読んでください。最低3回はお願いします。そうすると、最初はよくわからなかったことでもだんだんとわかってくることがあると思います。読むごとに、新しいことを発見したり、論理構造がはっきりしたりするでしょう。次に、全体的に筆者が何を言いたいのかを考えたり、部分的に身近なたとえを考えたりしてください。また、自分は筆者の意見に賛成なのか反対なのか、賛成なら付け加えることはないか、反対ならどこがおかしくて自分の意見はどうかなどを考えてみましょう。問題もやって下さい。そこまで読み込んでいれば簡単にできると思います。また、本文の解説のあるテキストなら、それも読んでみましょう。そうやって一つの問題を時間をかけてやるのです。時間がかかるので、数は5個でも10個でも構いません。

20分で解く問題を20分でやるという勉強を何十個やっても深く読めるようにはなりません。

まず、何回も時間をかけて本文を読めば深く読めるようにし、それから回数や時間を減らしていくのです。そうすれば、普通に1回だけ読んだときにも以前より深く読めるようになっていると思います。

また、この勉強方法は作文や小論文の対策にもなります。トライプラス大野芝校では、生徒と私(山中)で本文の内容やテーマについてひたすら話し合うというような授業をやることもあります。

3. 現代文をやる時の注意点

(1)現代文のどこが難しいのか

現代文が難しい理由は、英語や古文と違い私たちが普段から使っている言葉についての問題だからです。では、どういったところが難しいのでしょうか。いろいろあると思いますが、ここでは2つ紹介させていただきます。

1つ目は、問題の答えの根拠となる場所が、問題の場所と離れているところにあったり、全体であったりすることです。例えば、英語の場合だと、指示語問題で指示している内容はほとんどが直前です。また、理由を選びなさいという問題も、だいたい前後を見れば根拠があります。しかし、現代文の場合は、ごく最初の方にある傍線部問題の根拠が一番後ろにあったりします。

2つ目は、正しい選択肢を選ぶ問題で、必ずしも間違いだとは言えない選択肢が複数ある場合があることです。こういった場合は、消去法だけでは問題を解くことができません。本文からどの選択肢がもっとも論理的に適切なのかを判断しなければいけません。よく生徒から自分の選んだ選択肢がなぜいけないのかという質問をされますが、いけないのではなくて、もっと適切な選択肢があるというのが間違いの理由になります。

(2)現代文の解き方

現代文には、いろんな解き方があります。例えば、先に問いを読んでから本文を読んで問題を解くという方もいるでしょう。それぞれ自分のやり方でうまくいっているのならいいと思います。

しかし、私のやり方は、まず本文をしっかり読んでから問題をやるという方法です。これは、先ほど書いたように、全体を読まないとできない問題があるからです。ただし本文が長いときは、一気に最後まで本文を読むと最初の方を忘れているということがあるので、内容の切れ目でいったん問題を解く方がいいと思います。その場合は、本文の後半に答えの根拠があり解けない問題が出てくるので、わからない問題はとばしておいて本文を全部読んでからもう一度考えるようにしてください。

私がこのやり方を生徒に勧めると、「ただでさえ時間がないのに、本文を全部読んでいれば絶対に時間が足らない。」とよく言われます。しかし、時間がかかってしまうのは、本文が理解できていないのに問題を解こうとして悪戦苦闘してしまうからです。本文を読んでいる時間と問題を解いている時間の比率を生徒にたずねると、生徒の多くは5:5ぐらいです。中には、4:6や3:7といった生徒もいます。しかし、私はだいたい7:3です。簡単な問題なら8:2の時もあります。つまり、本文を読むのには時間がかかりますが、問題は少ない時間で解けるということです。正直私はあまり文章を読むのが速くありませんが、国語のテストで時間切れになることはまずありません。

現代文でどうしても点が取れないという方は、ぜひ参考にしてください。

4. まとめ

たしかに現代文の力をつけるのは難しいです。しかし、大学受験でもすべての教科で、相手の言っていることを理解し自分の思いや考えを伝えることが重要になってきていることを考えると、現代文の力は誰にとっても必要なものだと言えるでしょう。

現代文の問題が解けるかどうかは、本文を正しく深く理解できるかどうかにかかっています。そして、本文を理解するためには、一定の知識が必要です。日常生活ではあまり使わない言葉や表現、複雑な論理展開、様々なテーマについて学習しておく必要があります。また、同じ文章を何回も読み、深く理解し、自分でもいろいろなことを思考する訓練を通して、読解力や問題を解く力をつけることができます。